「お守り、会社に忘れてきちゃったんです。普段はポーチに入れているんですけど、整理しようとデスクに──」
「……なるほど」

 相澤は顔を片手で覆うと、はあっと溜息をつく。

「すぐそっちに行くから、待ってて」

 そう言われた陽茉莉は、おずおずと部屋に戻った。ベッドに横になってすぐに、宣言通りに相澤は陽茉莉の部屋に来た。

「ここにいてやるから、寝ろ。この家に、邪鬼は来ない」
「絶対に?」
「絶対に、だ。万が一に来ても、俺が必ず助けてやる」
「寝ている間にいなくならない?」