「係長、起きてますか?」

 そっとドアを開けると、まだベッドサイドのダウンライトがついているのが見えた。おずおずと声をかけると、机に向かって何かをしていた相澤が驚いたように振り返る。

「どうした?」

 ちらりと見えた机の上には、硯と筆、それに紙が見えた。

 習字、だろうか?

「一緒に寝たらだめかなって思って」

 目を見開いた相澤は、すぐに探るような目で陽茉莉を見つめる。陽茉莉は居心地の悪さを感じて身じろいだ。