浴室の鏡で違和感を抱いた首筋から肩にかけてを確認してみたけれど、特に見た目に変化は起きていないことにほっとする。
 けれど、パジャマに着替えてひとりで寝室に行くとまた恐怖感が押し寄せてくる。

 お守りを会社に置いてきてしまった。相澤の近くにいれば平気だと知っていても、この不安感を完全に拭い去ることはできない。

(係長、起きてるかな……)

 以前、怖かったら一緒に添い寝してやろうかと言われたことを思い出す。

 やっぱり自分は酔っている。
 あれは相澤がほろ酔いのときに冗談で言われた言葉だとわかっていても、そんな言葉に縋りたくなった。