ということは……。 「もしかして、係長が酔い潰れた私をハーフムーンまで迎えに来てくれた?」 「ん? ああ。遅いから何度も電話したら、あのバーのママが出た。知り合いなら迎えに来いって言われてさ」 相澤は車の流れから陽茉莉へと視線を移動させると、なんでもないように答える。 一方の陽茉莉はサーッと顔色を青くした。 これはもしかして、いや、間違いなく多大な迷惑をかけたのではないだろうか。 「すいません、係長。もう酔いは覚めたので、電車で帰れます」