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 ふわふわしてて温かい。
 その温もりが離れてゆくのを感じて、陽茉莉は思わず手を伸ばしてそれに擦り寄った。すると、頭上で息を呑むような気配がした。

「新山、起きてくれ。両手が塞がっているとタクシーを拾えない」

 困り切ったような声がしてぼんやりと目を開くと、視界に入ったのは街頭の明かり。そして、至近距離のイケメン。

「ふぇ!」

 びっくりしすぎておかしな声が出た。