今日、何かあったというと、仕事だろうか。
 今日一日を思い返したが、何も思い当たらなかった。ただ、午後は少し様子がおかしかったから、午前中に何かあったのかもしれない。

(明日にでも、聞いてみるか)

 相澤はすやすやと寝息を立てる陽茉莉を見下ろす。

「あっ、そういえば。後もうひとつ、あなたのことでよく言ってることがあるわ」

 女がポンと手を叩いてにこりと笑う。

「とんでもなく、猫だって」

 女が楽しげに笑う。