「新山は、なんて?」
「仕事はできるけど厳しいって。でも、この前はあなたのおかげでお客さんに褒められたって喜んでいたわ」
「そうですか」
相澤は少しだけ口元を綻ばせる。
陽茉莉には何かと口うるさく指導している自覚はある。言わずに済ませることもできるが、伝えたほうが本人の成長に繋がるからだ。
「今日は、何か思うところがあったみたいだから、ちゃんと話したほうがいいわよ。それこそ、飲み過ぎちゃうくらい」
「俺と?」
「ええ、多分そうね」
女はこくりと頷く。
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