◆◆ 3
読みかけの本から顔を上げてふと時計を見ると、既に時刻は夜の十一時を過ぎていた。テレビを付けるとちょうどニュース番組のお天気情報が映り、明日は平年よりやや気温が低いので秋らしい装いがいいと言っていた。
「新山、遅いな……」
相澤は本に栞を挟むと、それをソファーの前にあるローテーブルに置く。
スマホを確認したが、何も連絡は来ていなかった。
(何かあったのか?)
相澤から見て、陽茉莉は少々抜けているところがあるものの、生真面目な性格をしている。こんな時間になるなら、『遅くなります』と一言メッセージを送ってきそうなものだ。
読みかけの本から顔を上げてふと時計を見ると、既に時刻は夜の十一時を過ぎていた。テレビを付けるとちょうどニュース番組のお天気情報が映り、明日は平年よりやや気温が低いので秋らしい装いがいいと言っていた。
「新山、遅いな……」
相澤は本に栞を挟むと、それをソファーの前にあるローテーブルに置く。
スマホを確認したが、何も連絡は来ていなかった。
(何かあったのか?)
相澤から見て、陽茉莉は少々抜けているところがあるものの、生真面目な性格をしている。こんな時間になるなら、『遅くなります』と一言メッセージを送ってきそうなものだ。