陽茉莉の気迫にやや圧倒されたように、若菜は体をのけぞらせる。

「飲みにでも行って話を聞けたらいいんだけど、今日は予定があるんだよね──」

 残念そうに若菜が眉尻を下げるのを見て、陽茉莉は閃いた。

(そうよ。最近、潤ちゃんに話を聞いてもらえないからイライラするんだ!)

 絶対にそうに違いない。
 そうとわかれば、潤ちゃんに会いに行かないと。

『今夜は出かけるんで悠翔君のお迎え無理です』

 どこで聞かれるかわからないので、三つ隣の席だけどスマホからメッセージを送る。すぐに相澤からは返事が来た。