別に陽茉莉と相澤は恋人でも何でもない。上司と部下であり、ただの同居人だ。
 だから、相澤が誰と付き合って何をしていようと陽茉莉にはとやかく言う資格はないし、そもそも口出しすべきことではない。

 そうはわかっているけど、なぜかイライラする。

「午前中に、また相澤係長に仕事のことでなんか言われちゃった?」

 若菜はこちらを見つめ、首を傾げる。

「相澤係長は関係ない!」

 陽茉莉は即座に全否定する。

「そ、そっか。じゃあ、別に嫌なことがあったんだね」