「うん、本当。だから、起きようか?」
「うん!」

 悠翔はにこっと笑って立ち上がる。

(可愛い!)

 朝からなんて癒やされる!

 そして、ふと先ほど見送った相澤の表情が思い浮かぶ。陽茉莉が見送ったときに、驚いたように目を瞠り、次いで照れたように笑った。
 兄弟だけあり、どことなく相澤と悠翔は笑った表情が似ている。

(あんなことで照れるなんて、ちょっと意外……)