「とは言っても、からかいすぎでしょ?」 相澤のような見た目もよくて仕事もできるハイスペック男からすれば陽茉莉など全く興味にならないことは知っている。 けれど、こっちは一応お年頃なのだ。動揺する気持ちを抑えるのは難しかった。 「あんの、猫かぶりめ!」 枕をぎゅっと抱きしめると、陽茉莉は口を尖らせる。 先ほどまでの恐怖感は、いつの間にかすっかりと霧散していた。