「一緒に寝てやろうか?」
「は?」
「怖いなら、今夜は添い寝してやるけど」
耳元に囁かれ、陽茉莉は相澤の顔を見返す。端正な顔には、心なしか黒い笑みが浮かんでいる。
「か、からかわないでくださいっ!」
陽茉莉は真っ赤になって、相澤の胸を押す。服越しに触れた体が思ったよりも逞しくて、なぜか無性に恥ずかしくなる。
相澤はそんな陽茉莉を見下ろし、楽しそうにくくっと笑う。
「ちなみに、俺の部屋の鍵は一晩中開いてる」
「っ!?」
目が合うと、にんまりと口元が弧を描いた。これは、相澤が猫を被るときの笑顔だ。
やっぱり、絶対にからかって面白がっている。