「すいません、やっぱりいいです」

 聞かないほうがいい気がした。
 陽茉莉はそう謝罪すると、自分の体を抱きしめるように腕を回す。

「怖いのか?」

 答えることができず、陽茉莉は俯く。

 正直、怖くないと言えばうそになる。
 もしも相澤がいないところであれに襲われたら、自分はどうなってしまうのだろう。想像するだけで体が震えそうだ。

 青ざめる陽茉莉を見下ろし、相澤は再び体を屈めた。