「お帰りなさい。相川さん、現金書留が来てますよ」

「わあ! 晴美さん、ありがとうございます!」

 愛美は満面の笑みでお礼を言い、晴美さんから封筒を受け取った。開けてみると、中身はキッチリ三万五千円!

「コレでやっと金欠から脱出できる~♪」

 何せ、財布の中には千円札が二・三枚しか入っていなかったのだから。

「――あ、それから。辺唐院さんには荷物が届いてますよ」

「はい? ……ありがとうございます。――あら、純也叔父さまからだわ」

 珠莉が受け取ったのは、レターパック。差出人は純也らしい。

「えっ、純也さんから? 何だろうね?」

 愛美もワクワクして、珠莉とさやかの部屋までついていった。彼女も中身が気になるのである。
 何より、理由は分からないけれど気になって仕方がない純也(あいて)からの贈り物なのだから。……自分宛てじゃないけれど。

「あら、チョコレートだわ。三箱もある。しかもコレ、ゴディバよ! 高級ブランドの」

 開封するなり、珠莉が歓声を上げた。

「えっ、マジ!? 一粒五百円もするとかいう、あの!? っていうか、なんであたしの分まで」

「あ、待って下さい。メッセージカードが付いてますわ。――『金曜日はありがとう。珠莉と愛美ちゃんにだけお礼を送るのは不公平だと思って、珠莉のルームメイトにも送ることにした』ですって」

「なぁんだ、義理か。でもあたし、チョコ好きだし。ありがたくもらっとくよ。でもコレ、もったいなくていっぺんには食べられないね。……ね、愛美?」

「…………えっ? あー、うん。そうだね」