わたし、〈わかば園〉の毎年のクリスマス会の時、どの理事さんが気前よくプレゼントを用意して下さってたか分かった気がします。だって、これだけ太っ腹な(あっ! 体型のこと言ってるんじゃないですよ)理事さんは、わたしが思いつく限りたった一人だけですもん。
 おじさま、もう一度言います。ありがとう! そして少し早いですけどメリークリスマス!
 今年のクリスマス会の時、園長先生や職員さんたち、子供たちによろしくお伝えください。「愛美お姉ちゃんは元気でやってるよ」って。

                 十二月三日      愛美    』

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(――たまには、わたしからもおじさまに、何かプレゼント送りたいな……)

 手紙を書き終えてから、愛美はふと考えた。でも、男性に何を贈っていいのか分からないし、気を遣わせるのも申し訳ないし……。

「…………まあいっか。今回はとりあえず手紙だけで」

 二月には男女にとっての一大イベント、バレンタインデーがあることだし。今年のバレンタインデーは、インフルエンザのせいでそれどころじゃなかったので、来年こそはと愛美は誓った。

(だって今度は、二人が恋人同士になって初めてのバレンタインデーだもん!)

 愛しい純也さんには、辺唐院家のお屋敷で会える。プレゼントは用意しなくても、一緒にクリスマスを過ごせたら彼はそれだけで十分満足してくれるだろう。

 準備は整った。あとは期末テストを無事に乗り切って、冬休みを待つだけだ――。