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 ――あの手紙を投函してから数日後。愛美宛てにたくさんの荷物が届いた。
送り主はすべて田中太郎氏。つまり、〝あしながおじさん〟だ。

「愛美……、これってもしかしてアレ?」

 受け取った愛美自身が全部部屋に運び込んだところで、さやかがあんぐり顔で訊ねた。

「うん、そうみたいだね。まさかこんなにたくさん届くとは思ってなかったけど」

 この荷物の量を見て、誰より愛美自身が驚いた。
 珠莉から「どうせなら、パーティーに出るのに必要なものを一式おねだりしちゃいなさい」と(そそのか)され、手紙にも冗談のつもりでその通りに書いたけれど、まさか本当に一式そろえて送ってくれるなんて……!

「さやかちゃん、珠莉ちゃん。一人で開けるの大変だから、申し訳ないんだけど手伝ってもらっていいかな?」

 愛美は親友二人にお願いした。この日が週末で、三人とも部活がない日でよかったと思う。

「はいはい、よくってよ」

「オッケー☆ 任せなさい」

 三人で手分けして、大小合わせて六つある包みを開けていく。
 一番大きな箱からは、シックなデザインの大人っぽいワインレッドのカクテルドレスと一通の手紙が出てきた。

「『相川愛美様。メリークリスマス!……』」

 愛美が声に出して読み始めた手紙には、こう書かれていた。いつもと同じ、パソコンで書かれた秘書の久留島さんからの手紙である。

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『相川愛美様。

 Merry Christmas! 今年も、ボスからのクリスマスプレゼントをお送り致します。
 今年はあなたからリクエストがあったそうで、ボスもあなたにお似合いになりそうな品々を一生懸命選びました。喜んでいただければ幸いでございます。
 これらの品をお召しになり、楽しいクリスマスパーティーをお過ごし下さいませ。

                        久留島栄吉     』

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「おじさま、わたしのために一生懸命悩んでくれたんだって」

「へえ……。よかったじゃん、愛美! アンタ愛されてるね」

「うん」

 保護者としても、恋人としても、〝彼〟は愛美のことを本当に大事に思ってくれていると分かる。