「そ……うかなぁ」
「ええ。叔父さまはそういう方なのよ。だから、大丈夫よ」
「……うん、分かった」
愛美が「夕食から戻ってきたら、さっそくおじさまに手紙書くね」と言ったところで、さやかが珠莉に茶々を入れた。
「アンタさぁ、いっつもそうやって純也さんを困らせてたんじゃないのー?」
「えっ? 何のことですの?」
「欲しいものとかあった時に、叔父さまにねだりまくってたんじゃないの? そりゃウザがられるわ」
当初、純也さんが珠莉のことを苦手にしていたと愛美から聞いたことを、さやかは覚えていたのだ。
姪がこんな子だったら、さやかが叔父や叔母の立場でもウザいと思うだろう。
「あら、そんなことありませんわ。……まあ、純也叔父さまが私のことをそう思われていたとしても、愛美さんにはきっとお優しいはずよ」
姪の珠莉相手ならともかく、恋人である愛美のことを彼が冷たくあしらったりはしないはずだ。
「そうだねー。だってあの二人、誰が見たってラブラブだもんね。――っていうか、アンタの方はどうなのよ?」
「どう、って?」
「ウチのお兄ちゃんと、だよ。連絡は取り合ってるんでしょ? クリスマスはムリでもさぁ、冬休みの間にデートするとかって予定はないワケ?」
さやかの兄・治樹と珠莉は一応交際を始めたらしい。二人が連絡を取り合っているところはさやかも愛美も見かけているけれど、二人で出かけるような様子はまだ一度も見られない。
「……特には何も。治樹さん、今は就職活動で忙しいみたいですし、私がおジャマしてはいけないと思って。それに――」
「それに?」
「多分、私と治樹さんの仲は、私の両親に反対されると思うから……」
「え……、マジで? 今時そんなことある?」
さやかは眉をひそめた。それが昭和の話ならあり得るかもしれないけれど、令和に今になってそんなことがあるんだろうか?
「私は一人娘なんですもの。父としては、跡取りとなる婿養子がほしいはずなの。でも、治樹さんは長男ですし――」
「ええ。叔父さまはそういう方なのよ。だから、大丈夫よ」
「……うん、分かった」
愛美が「夕食から戻ってきたら、さっそくおじさまに手紙書くね」と言ったところで、さやかが珠莉に茶々を入れた。
「アンタさぁ、いっつもそうやって純也さんを困らせてたんじゃないのー?」
「えっ? 何のことですの?」
「欲しいものとかあった時に、叔父さまにねだりまくってたんじゃないの? そりゃウザがられるわ」
当初、純也さんが珠莉のことを苦手にしていたと愛美から聞いたことを、さやかは覚えていたのだ。
姪がこんな子だったら、さやかが叔父や叔母の立場でもウザいと思うだろう。
「あら、そんなことありませんわ。……まあ、純也叔父さまが私のことをそう思われていたとしても、愛美さんにはきっとお優しいはずよ」
姪の珠莉相手ならともかく、恋人である愛美のことを彼が冷たくあしらったりはしないはずだ。
「そうだねー。だってあの二人、誰が見たってラブラブだもんね。――っていうか、アンタの方はどうなのよ?」
「どう、って?」
「ウチのお兄ちゃんと、だよ。連絡は取り合ってるんでしょ? クリスマスはムリでもさぁ、冬休みの間にデートするとかって予定はないワケ?」
さやかの兄・治樹と珠莉は一応交際を始めたらしい。二人が連絡を取り合っているところはさやかも愛美も見かけているけれど、二人で出かけるような様子はまだ一度も見られない。
「……特には何も。治樹さん、今は就職活動で忙しいみたいですし、私がおジャマしてはいけないと思って。それに――」
「それに?」
「多分、私と治樹さんの仲は、私の両親に反対されると思うから……」
「え……、マジで? 今時そんなことある?」
さやかは眉をひそめた。それが昭和の話ならあり得るかもしれないけれど、令和に今になってそんなことがあるんだろうか?
「私は一人娘なんですもの。父としては、跡取りとなる婿養子がほしいはずなの。でも、治樹さんは長男ですし――」