「いや、別に引かないよ。ただ、君もやっぱり今時の女子高生なんだなーと思っただけだ」

「……そうですか」

 その言葉を、愛美はどう受け取っていいのか迷った。「女子高生らしくて可愛い」という意味なのか、「すっかり世慣れしてる」という意味なのか。
 ……愛美としては、前者の意味であってほしい。

 愛美とさやかの二人が満足のいく写真をアップできたところで、四人はクレープにかぶりついた。

「「「お~いし~~い☆」」」

「うま~い!」

「ばななチョコ、とろける~♪ ホイップもいい感じだねー」

「ねー☆ やっぱチョコはテッパンだねー」

 最後の感想は、もちろんチョコ好きのさやかである。他にも美味しそうなクレープが何種類かあった中で、何の迷いもなくチョコ系を選んだのがいかにも彼女らしい。

「ツナチーズもいけますわよ」

「えっ、マジ? 一口ちょうだい! あたしのも一口あげるから」

「……そっちは太りそうだからいいですわ」

 さやかと珠莉は、お互いのメニューをシェアし始める。 

「――純也さん、美味しいですか?」

「うん、うまいよ」

 愛美が感想を訊ねると、純也さんは子供みたいにホイップがついた口を拭いながら答えた。

(純也さん、可愛い)

 愛美は彼の姉になったような気持ちで、またクレープをかじった。
 すると、横からズズーッと何かをすする音がして――。

「――あまっ! タピオカミルクティーってこんなに甘かったのか」

 タピオカ初体験の純也さんが、あまりの甘ったるさに眉をしかめていた。

「そんなに甘いですか? ……うわ、ホントだ」

 愛美も甘いものが大好きだけれど、ここまで甘ったるいのはちょっと苦手だ。こんなに甘ったるいものが、よく人気があるなと思う。

「ホントはソーダみたいなサッパリしたドリンクの方が合うんだけどね。色もキレイだから映えるし」

「えっ、そうなの? じゃあ、そっちにすればよかったかな」