甘いもの好きの純也さんが、この提案に乗らないわけはなく。というか、思いっきり乗り気になった。

「実は俺も食べたかったんだ。じゃあ決まり☆ 行こうか」

「「イェ~イ!!」」

「…………いぇーい」

 愛美とさやかは大はしゃぎで、珠莉は恥ずかしいのか小声でボソッと言い、四人は竹下通りまで戻ってクレープのお店に足を運んだ。
 ここは券売機で注文するシステムのようで、各々好みの商品の券を買った。

「あたし、ばななチョコホイップ。プラス百円でドリンクつけよう」

「わたしも」

「僕も同じので」

「私はツナチーズサラダ、っと」

 ドリンクは愛美・純也さん・さやかはタピオカミルクティーをチョイスした。珠莉はドリンクなしだ。

「愛美は初タピオカだねー」

「うん!」

 山梨のド田舎にいた頃は飲んだことはもちろん、見たことすらなかったタピオカドリンク。愛美はずっと楽しみにしていたのだ。

「実は、僕も初めて」

「「えっ!?」」

 純也さんの衝撃発言に、愛美とさやかは心底驚いた。

「いや、男ひとりで買うの勇気要るんだよ」

「はぁ~、なるほど……」

 分からなくはない。女子が「()える~!」とかいって、こぞってSNSに写真をアップしているのはよく見かけるけれど。男性がそれをやっていたら、ちょっと引く……かもしれない。 

「ちょうどいいや。写真撮って、SNSにアップしよ♪」

「あー、それいいね」

 愛美とさやかはクレープとタピオカミルクティーを並べてスマホで撮影し、さっそくSNSに載せた。

「……なんか以外だな。愛美ちゃんも、SNS映えとか気にするんだ?」

「毎回ってワケじゃないですよ。今回は初タピオカ記念で」

 純也さんの疑問に、愛美はちょっと照れ臭そうに答える。流行に疎いということと、流行に興味がないこととは別なのだ。

「純也さん、……引きました?」

 (うわ)ついた女の子に見えたかもしれないと、愛美は気にしたけれど。