(……? あの二人、何の相談してるんだろ?)

 愛美は首を傾げる。思えばここ数週間、珠莉の様子がヘンだ。今日だってそう。何だかずっと、純也さんと二人でコソコソしている。

「愛美、どしたの? ほら行くよ」

「あ……、うん」

 ――かくして、四人は竹下通りから表参道までを巡り、ショッピングを楽しんだ。……いや、楽しんでいたのは女子三人だけで、純也さんはほとんど何も買っていなかったけれど。

「ふぅ……。いっぱい買っちゃったね―」

 愛美も数軒の古着店を回り、夏物のワンピースやカットソー・スカートにデニムパンツ・スニーカーやサンダルなどを買いまくっていた。でもすべて中古品なので、新品を買うよりも格安で済んだ。
 さやかも同じくらいの買いものをして、二人はすでに満足していたのだけれど……。

「まだまだよ! 次はあそこのセレクトショップへ参りますわよ」

 それ以上にドッサリ買いまくって、もう両手にいっぱいの荷物を持ち、それでも間に合わないので純也さんにまで紙袋を持たせている珠莉が、まだ買う気でいる。

「「え゛~~~~~~~~っ!?」」

 これには愛美とさやか、二人揃ってブーイングした。純也さんもウンザリ顔をしている。

「アンタ、まだ買うつもり!? いい加減にしなよぉ」

「そうだよ。もうやめとけって」

「わたしはいいよ。こんな高そうなお店、入る勇気ないし」

「いいえ! さやかさん、参りましょう!」

「え~~~~? あたし、ブランドものなんか興味ない――」

 珠莉は迷惑がっているさやかをムリヤリ引っぱっていく。そしてなぜか、そのまま彼女にも耳打ちした。

「ふんふん。な~る☆ オッケー、そういうことなら協力しましょ」

(……? なに?)

 事態がうまく呑み込めない愛美に、さやかがウィンクした。

「じゃあ、あたしたち二人だけで行ってくるから。愛美は純也さんと好きなとこ回っといでよ」

「純也叔父さま、愛美さんのことお願いしますね」

「……え!? え!? 二人とも、ちょっと待ってよ!」