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 ――そして、待ちに待った五月三日。お天気にも恵まれ、絶好のお出かけ日和(びより)

「叔父さまー! お待たせいたしました」

「やあ、みんな。よく来てくれたね」

 東京は渋谷(しぶや)区・JR原宿(はらじゅく)駅前。愛美・さやか・珠莉の三人は、そこで純也さんに迎えられた。

 三人とも、今日は張り切ってオシャレしてきた(珠莉はいつもファッションに気を遣っているけれど)。普段着よりはファッショナブルで、それでいて〝原宿〟というこの街にも溶け込めそうな服を選んだのだ。

 愛美は胸元に控えめのフリルがあしらわれた白のカットソーに、大胆な花柄のミモレ丈のフレアースカート。そこにデニムジャケットを羽織り、靴は赤のハイカットスニーカー。髪形もさやかにアレンジしてもらい、編み込みの入ったハーフアップにしてある。

 さやかは白い半袖Tシャツの上に赤のタータンチェックのシャツ、デニムの膝上スカートに黄色の厚底スニーカー。

 珠莉は淡いパープルの七分袖ニットに千鳥(ちどり)格子(ごうし)の膝丈スカート、クリーム色のパンプス。紙には緩くウェーブがかかっている。

「こんにちは、純也さん。今日はお招きありがとうございます」

 純也さんにお礼を言った後、愛美は彼の服装に見入っていた。

(わ……! 私服姿の純也さんもカッコいい……!)

 愛美の知っている限り、いつもはキチっとしたスーツを着ている彼も、今日は何だかカジュアルな格好をしている。
 清潔感のある白無地のカットソーにカーキ色のジャケット、黒のデニムパンツに茶色の編み上げショートブーツ姿だ。

「あら、叔父さま。今日は何だかカジュアルダウンしすぎじゃありません?」

「あのなぁ……。原宿歩くのに、スーツじゃいくら何でも浮くだろ?」

 いつもは紳士的な口調の純也さんも、姪の珠莉が相手だと砕けた物言いになるらしい。