話は変わりますけど、今日の夕方、純也さんから珠莉ちゃんのスマホに電話がかかってきました。「来月の三日、珠莉ちゃんとさやかちゃんと三人で東京においでよ」って。
 なんでも、東京の大きな劇場で公演されるミュージカルの前売りチケットが買えたから、一緒に観たいってことだそうです。で、そのついでに美味しいものを食べたり、ショッピングしながら街を散策するのはどうかって。
 珠莉ちゃんはもちろん東京出身だし、さやかちゃんもお家は埼玉で東京はお隣だから、中学時代はよく東京で遊んでたらしいんですけど。わたしは本格的に東京の街を歩くのは初めてです。そして舞台鑑賞も初めて! すごくワクワクしてます。
 そして何より、純也さんとお出かけできるのがわたしには嬉しくて。その分、ドキドキもしてますけど……。
 もちろん泊りじゃなくて、日帰りですけど。連休中だから、帰りが遅くなっても大丈夫だし。もちろん外出届は出します。
 そういえば、さやかちゃんが言ってたんですけど。純也さんは本当はわたしに直接連絡を取りたかったけど、連絡先を知らないから珠莉ちゃん経由で連絡してきたんじゃないか、って。もしそうだったら、これって立派なデートのお誘いですよね? でも二人きりじゃないから、わたしの考えすぎ?
 とにかく、来月三日、楽しんできます♪ 帰ってきたら、また報告しますね。ではまた。

               四月二十七日    愛美       』

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 ――書き終えた手紙を封筒に入れて宛て名を書き終えると、あと十分ほどで消灯時間だった。

「愛美、終わった? そろそろ寝よ?」

「私、先にやすみますわ……」

「うん、今書き終わったよ。じゃあ電気消すね。さやかちゃん、珠莉ちゃん、おやすみ」

 共用スペースの明かりを消し、愛美も就寝準備を整えて寝室のベッドに入った。

「――三日はどんなの着て行こうかな……」