さやかちゃんのお父さんは小さいけど会社を経営されてて、クリスマスは従業員さんのお子さんを招いてクリスマスパーティーをやるそうですし、お正月にはご家族で川崎大師に初詣に行くそうです。さやかちゃんだけじゃなくて、ご家族もわたしのこと大歓迎して下さるそうです。
わたし、さやかちゃんのお家に行きたいです。おじさま、どうか反対しないで下さい。お願いします!
十二月十六日 愛美 』
****
――それから四日後。
「……ん?」
寮に帰ってきた愛美は、郵便受けに一通の封筒を見つけて固まった。
(久留島さん……、おじさまの秘書さんから? まさか、さやかちゃんのお家に行くの反対されてるワケじゃないよね?)
差出人の名前を見るなり、愛美の眉間にシワが寄る。
「どしたの、愛美?」
そんな彼女のただならぬ様子に、さやかが心配そうに声をかけてきた。
「あー……。おじさまの秘書さんから手紙が来てるんだけど、なんかイヤな予感がして」
「まだそうと決まったワケじゃないじゃん? 開けてみなよ」
「うん……」
さやかに促され、愛美は封を切った。すると、その中から出てきたのはパソコンで書かれた手紙と、一枚の小切手。
「いちじゅうひゃくせんまん……、十万円!?」
そこに書かれた数字のゼロの数を数えていた愛美は、困惑した。
毎月送られてくるお小遣いの三万五千円だって、愛美には十分な大金なのに。十万円はケタが大きすぎる。
(こんな大金送ってくるなんて、おじさまは一体なに考えてるんだろ?)
「……ねえ、さやかちゃん。コレってどういうことだと思う?」
「さあ? あたしに訊かれても……。手紙に何か書いてあるんじゃないの?」
「あ……、そっか」
愛美はそこで初めて手紙に目を通した。
****
『相川愛美様
Merry Christmas!
この小切手は、田中太郎氏からのクリスマスプレゼントです。
お好きなようにお使い下さい。 久留島栄吉 』
わたし、さやかちゃんのお家に行きたいです。おじさま、どうか反対しないで下さい。お願いします!
十二月十六日 愛美 』
****
――それから四日後。
「……ん?」
寮に帰ってきた愛美は、郵便受けに一通の封筒を見つけて固まった。
(久留島さん……、おじさまの秘書さんから? まさか、さやかちゃんのお家に行くの反対されてるワケじゃないよね?)
差出人の名前を見るなり、愛美の眉間にシワが寄る。
「どしたの、愛美?」
そんな彼女のただならぬ様子に、さやかが心配そうに声をかけてきた。
「あー……。おじさまの秘書さんから手紙が来てるんだけど、なんかイヤな予感がして」
「まだそうと決まったワケじゃないじゃん? 開けてみなよ」
「うん……」
さやかに促され、愛美は封を切った。すると、その中から出てきたのはパソコンで書かれた手紙と、一枚の小切手。
「いちじゅうひゃくせんまん……、十万円!?」
そこに書かれた数字のゼロの数を数えていた愛美は、困惑した。
毎月送られてくるお小遣いの三万五千円だって、愛美には十分な大金なのに。十万円はケタが大きすぎる。
(こんな大金送ってくるなんて、おじさまは一体なに考えてるんだろ?)
「……ねえ、さやかちゃん。コレってどういうことだと思う?」
「さあ? あたしに訊かれても……。手紙に何か書いてあるんじゃないの?」
「あ……、そっか」
愛美はそこで初めて手紙に目を通した。
****
『相川愛美様
Merry Christmas!
この小切手は、田中太郎氏からのクリスマスプレゼントです。
お好きなようにお使い下さい。 久留島栄吉 』