沙由美の話は…他でもない、水谷ときちんと話をして自分自身の気持ちにケリをつける…

その話だ。

でも聡介はどうして…
一緒にいたわけでもないのに、私たちの話を知っているかのように言うのだろう…。

考えながら黙っている私を見ながら聡介が言った。

「…そろそろ…いい頃だと…思うぜ、俺も。母さんも、その…まだ若いんだからさ…。もう一花って事も…アリっちゃアリだろ…」

何だ?
さっきはいい年してとか言っておきながら、今度はまだ若いって。

私は聡介の言いたい事がさっぱりわからなかった。

「いい頃って…もう二度と結婚はしないわよ。ほんとに今度という今度は、懲りたわ。お父さんに引き続き小西も…バツ2ってどうよ?」

「…んな事はどうだっていいんだよ…。そういう意味じゃねぇって。もう一花ってのは…ちょっと違うな…。その前に…する事あんだろ…」

私はまわりくどい聡介の言い方に、段々と腹が立ってきた。

「だーかーらー!アンタ一体何が言いたいわけ?母さん、アルコールはまわってるけど、頭の方はイマイチまわってないんだからね!はっきり言ってくれないとわかんないの!」

「…………」

聡介は突然黙り込んでしまった。
そのまま沈黙が続き、私はいたたまれなくなって聡介に言った。