週末、帰国の挨拶も兼ねて、実家に足を運んでいた。
父も母も、アメリカでの頑張りを労い、豪華な食事でもてなしてくれた。

その場で、あらぬ誤解を招かぬよう、秘書課の現状を母親にも伝えておくことにした。

「穏便に手を引いていただけるよう、柳田さんにも協力してもらいながら進めます」

あくまで自分はこれを見合いだと捉えず
〝鍛えるために預かっている〟として動いている事を知らしめておく。
そして、落ち度があった場合は、速やかにお帰りいただくことも。

親父は、軽率な行動をした事をひたすら謝り、その横で母は「本当にその通りよ。あなたは余計な事をしないの！！まとまるものもまとまらなくなるわ」と、強い口調で攻めていた。
この様子なら、心配なさそうだ。