そこには、少し大きめの机と椅子、乱雑に置かれた大量の書類があった。基本的に1人でしか仕事をしていなかったため、かなり散らかっている。

「少し散らかっているけど、一応君の席は用意しておいたから、そこに座ってくれるかな?」

書類の山の中に適当にいておいた机と椅子がある。

「散らかってますね。」

「ごめん。今度、しっかりと整理整頓するから。」

「いいえ。なら一緒にやりましょう。2人でやった方が早く終わりますし。」

「そうか。なら、今週末にでも2人でやろうか。」

「わかりました。予定開けておきますね。」

しおりは少しだけ自分の周辺を片付け、最低限メモとを取れるくらいのスペースを確保した。

「準備ができたか?」

「大丈夫です。」

「なら、今日の人呼んでくるから一緒に行こう。」

自分は今日使う資料のみを持ち、しおりを連れ、外に出る。

天界の外は生前の世界とあまり変わらない。文化レベルも、科学のレベルもほとんど変わらない。少し違うところはたまに空を天使とかが飛んでいるくらいだ。裁判を待っている人たちは、基本的にある地域の中で自由に生活をしている。重罪を侵した人は、流石に監獄に入っている。もし、そこで問題を起こすととんでもないことになるのと、食事も睡眠も娯楽も自由なので問題を起こそうという気にならなければ基本的には問題は起こることはない。裁判を受ける人は放送で名前を呼ぶ仕組みになっている。呼んでもこない場合は無理やり拘束して、連行される。まあ、そんなことはほとんど起こらない。係の人に資料を渡し、放送をしてもらう。

「新人さんかい?」

放送を担当する方がしおりに話しかけている。見た目は30代くらい。まあ、この世界では見た目は一切参考にならないが。

「はい。今日からなんです。」

「よかったじゃないか。いつも1人で寂しそうな顔していたし。」

「余計なお世話ですよ。」

「私もよかったと思ってるんだよ。あんたの仕事は1人で背追い込むのはあまりにも重いからね。新人さん。これから、あんたが見る光景は少し、きついものがあるけど、こいつのこと支えてあげてな。こう見えても繊細な人間だからね。」

「わかりました!!」

元気に答えるしおり。その姿を見て自分はため息をつく。