そこからいろいろな手続きの準備をしてから2人で幸助君を迎えに行くことになった。ここの仕事が自分しか続かないのは実際に人間の存在が世界から消えるのを見てしまい、そのことに耐えられないからだ。しおりもおそらくその1人だろう。天界で仕事に着く人は、才能や学だけで選ばれるわけではない。人格や性格、人相も重要な選考条件だ。基本的に正義感が強く、優しい人が多い。自分がその人を手にかけている感じがあって耐え切れないのだと思う。
「そろそろ時間だ。行くよ。覚悟しておいて。」
自分はしおりにそう伝えて、幸助君が最初に入ってたところに向かう。幸助君が作った世界に入るのは簡単でカプセルに手をかざすだけ。自分たちがその世界に入ってから約15分後に世界が崩壊していく。カプセルのある部屋に入るとあれだけ強い光だったものが薄暗くなっている。生命力が尽きてきてる証拠だ。
「先に行ってくれるか?後から自分は行くから。」
あえてしおりを先に行かせる。それは以前逃げ出した人がいたからだ。しおりは覚悟を決めて、カプセルに手をかざして、これから消えゆく世界に入っていく。それを確認してから自分もしおりに続くようにお別れを言いに行った。
時間は幸助くんを迎えに行く時に戻る。
案の定、幸助くんは自分たちのことを覚えていなかった。
「思い出してもらえないかな?」
幸助くんの表情はすこし戸惑っている感じだった。
「時間がないからこれからのことを話すね。」
自分はこれまでの経緯とこれから起こることをしおりに説明した通りに説明をした。幸助くんの顔は青ざめていた。思い出したのだろう。しおりの顔も複雑な表情だった。
「理解してもらえたみたいだね。俺のことも思い出してもらえたみたいでよかった。もう時間も残されてないから何かいうことでもあるかな?」
幸助くんは自分の胸ぐらを勢いよく掴んできた。顔は不安と怒りでいっぱいだった。こんなに感情を表すのは最初にあった幸助くんには考えられないものだった。
「随分と今日1日で変わったね。それだけいい経験をしたのならよかったよ。」
自分の言葉に幸助くんはさらに腹を立てたようで胸ぐらを掴む腕に精一杯力を入れていて少し震えていた。
言葉にならない怒りを自分にぶつける幸助くんに自分はそっと、自分の胸ぐらを掴んでいる手に触れた。
「落ち着けとは言わない。無理だと思うから。でも、もう戻れない。ここで俺のことを殴ったとしてもこれから起こることは何も変わらない。それが幸助くんに与えられる罰だから。」
「俺は、何も罪なんか犯してない!!人殺しも、盗みも!!俺はいじめを受けていたから被害者の方だ!!裁くならあいつにしろよ!!なんで俺が罰を受けなきゃいけない!!」
目を真っ赤にして自分に問いかけてくる。こんな仕事をしている関係でこういうことは慣れている。その時に自分は決まって同じことを問うことにしている。
「本当に何もしてないかな?本当の被害者は本当にお前か?」
「当たり前だ!!」
「そうか。なら、教えてやる。自殺がどれだけ罪深いか。」
自分は力ずくで幸助くんの腕を振り解いた。
「しおり。ここでの話は他の人には黙っていてくれ。俺はこの消える世界で少しだけ禁忌に触れる。」
自分は振り解いた幸助くんの手首を力強く握った。骨が折れるか折れないかの瀬戸際の力で。
「そろそろ時間だ。行くよ。覚悟しておいて。」
自分はしおりにそう伝えて、幸助君が最初に入ってたところに向かう。幸助君が作った世界に入るのは簡単でカプセルに手をかざすだけ。自分たちがその世界に入ってから約15分後に世界が崩壊していく。カプセルのある部屋に入るとあれだけ強い光だったものが薄暗くなっている。生命力が尽きてきてる証拠だ。
「先に行ってくれるか?後から自分は行くから。」
あえてしおりを先に行かせる。それは以前逃げ出した人がいたからだ。しおりは覚悟を決めて、カプセルに手をかざして、これから消えゆく世界に入っていく。それを確認してから自分もしおりに続くようにお別れを言いに行った。
時間は幸助くんを迎えに行く時に戻る。
案の定、幸助くんは自分たちのことを覚えていなかった。
「思い出してもらえないかな?」
幸助くんの表情はすこし戸惑っている感じだった。
「時間がないからこれからのことを話すね。」
自分はこれまでの経緯とこれから起こることをしおりに説明した通りに説明をした。幸助くんの顔は青ざめていた。思い出したのだろう。しおりの顔も複雑な表情だった。
「理解してもらえたみたいだね。俺のことも思い出してもらえたみたいでよかった。もう時間も残されてないから何かいうことでもあるかな?」
幸助くんは自分の胸ぐらを勢いよく掴んできた。顔は不安と怒りでいっぱいだった。こんなに感情を表すのは最初にあった幸助くんには考えられないものだった。
「随分と今日1日で変わったね。それだけいい経験をしたのならよかったよ。」
自分の言葉に幸助くんはさらに腹を立てたようで胸ぐらを掴む腕に精一杯力を入れていて少し震えていた。
言葉にならない怒りを自分にぶつける幸助くんに自分はそっと、自分の胸ぐらを掴んでいる手に触れた。
「落ち着けとは言わない。無理だと思うから。でも、もう戻れない。ここで俺のことを殴ったとしてもこれから起こることは何も変わらない。それが幸助くんに与えられる罰だから。」
「俺は、何も罪なんか犯してない!!人殺しも、盗みも!!俺はいじめを受けていたから被害者の方だ!!裁くならあいつにしろよ!!なんで俺が罰を受けなきゃいけない!!」
目を真っ赤にして自分に問いかけてくる。こんな仕事をしている関係でこういうことは慣れている。その時に自分は決まって同じことを問うことにしている。
「本当に何もしてないかな?本当の被害者は本当にお前か?」
「当たり前だ!!」
「そうか。なら、教えてやる。自殺がどれだけ罪深いか。」
自分は力ずくで幸助くんの腕を振り解いた。
「しおり。ここでの話は他の人には黙っていてくれ。俺はこの消える世界で少しだけ禁忌に触れる。」
自分は振り解いた幸助くんの手首を力強く握った。骨が折れるか折れないかの瀬戸際の力で。