パーカーを買い終えて、そこらへんをウロウロする。途中、クレープなどの買い食いをしたり、カフェの中でコーヒーを飲んだりした。もう少しで帰る時間になった頃、夏帆はある店の前で不自然に立ち止まった。

「どうしたの?」

夏帆は少しの間、心ここに在らずみたいな感じでぼーっとしていたが僕が話しかけたことに気づき急いで反応した。

「うんん。なんでもないよ。ちょっとトイレ行ってくるね。」

そう言うと、夏帆はお手洗いに向かっていた。夏帆が見ていたのは中学生にはすこし高い値段の指輪だった。これが欲しいのかと察することができたのだが、かなりの値段に少し買うことを戸惑ったが今まで使うことのなかったお小遣いがかなりあったのでせっかくなので2人分買うことにした。

「すいません。」

この店に似合わない中学生が入ってきたので少しだけ店員さんが驚いていた。僕はその人の前に急いで行き、夏帆が欲しがってそうにしていた指輪の前に立った。

「これを2人分お願いしてもいいですか?」

こんな雑な注文でも親身になって接してくれる。

「彼女さんへのプレゼントですか?なら、彼女さんの指のサイズはわかりますか?」

僕は指輪のことを買うがもちろん初めてだったので、何も知らないまま注文をしていた。

「すいません。わからないです。」

「なら、ネックレスにするのはいかがですか?」

店員さんは夏帆が欲しがっていた指輪よりもすこしだけ安価なネックレスをお勧めしてくれた。

「これなら、指輪よりも安価ですし、この指輪と同じメーカーのものなのですこしデザインも似てますし、今度彼女さんと一緒に来た時に指輪とセットになっていいと思いますけど。いかがですか?」

店員さんの提案に乗り、ネックレスを2つ買うことにした。男性用のやつもあったのでちょうどよかった。