「そういえばさあ、三上って幼馴染の美香ちゃんとは付き合ったことないの?前からずっと仲良さそうだったのに」

突然持ち出された自分の名前に、ドキリとする。

ついでに、さっきまでの会話と同列に扱われているようで、嫌悪感すら感じてしまいそうだ。

男の子達の間で話題にされるなんて、本当にやめて欲しい。



けど、聞いてしまったからには気になるわけで……

まあ、付き合ってないっていう事実は、本人だから知ってるんだけど。

「美香は、ただの幼馴染だよ」

そうそう。その通り。

それ以上でも、それ以下でもない。

言い換えるとしたら、親友だと思ってる。


「ふうん。いいよなあ、美香ちゃんめっちゃ可愛いじゃん」

いやいや。

ごく普通の顔立ちだって。


「そうそう。あんな可愛い子と幼馴染とか、羨ましすぎるわ。お前、本当に一回も付き合ったことないの?」

「ないな。あのさあ、そうも可愛いか?あいつ、化粧っ気もないし」

「そこがいいじゃんか。こう、なんていうか……何も知らないうぶ感とか、たまんないじゃん」