「美香、今日は部活だから、行くね。また明日!!」

「バイバイ、杏」


慌ただしく駆けていく親友の杏に別れを告げて、帰宅準備をする。


靴を履いて玄関を出ると……


「よお、美香。今日も一人か。せいぜい気をつけて帰れよ」

また出会した。


右手に女の子がしがみついた状態で、左手をヒラヒラさせながら、二人でいることを見せつけるように去って行ったのは、幼馴染の三上君。


近頃私の嫌う物に追加されたやつ。


今日しがみついていたのは……新顔かな? 
いちいち覚え切れないから、よくわからないけど。

毎回、毎回どこで捕まえてくるんだか。

違うか。

三上君のほうが捕まるのかな?


きっと彼は、私からの〝バイバイ〟なんて期待してない。

その証拠に、こちらが声を発する前に背中を向けてるしね。

だったら、わざわざ声をかけてくれなくてもいいのに。

ていうか、やたら出会しすぎじゃない?ってぐらい、女の子といる時に見かけるのはなんで?