その春、私と三上君と南君は、無事に志望校に合格することができた。

「美香のおかげだな。ありがとう」

そう素直に言う真也君には、もうチャラさもいい加減さもなかった。


「美香、部屋探し一緒にしようぜ」


「な、なんなら、ルームシェアもいいかもな」


そらした顔が真っ赤になっているのには、気付かないフリをしてあげよう。


「なに言ってんの?付き合ってるわけでもないのに。いくら幼馴染でも、男女でルームシェアするわけにはいかないよ。そもそも親が許さないから」

「……そ、その……美香の両親からは、もう許可をもらってある」

「えっ?」

あまりにも小声すぎて、聞き間違えたかしら?両親が許可とかって……


「だ、だから、美香の両親には、2人で住んでもいいって、許可をもらってる!!」

「同居ってこと?」

「同棲!!」

「……その許可、どうしたらもらえたのよ?」

絶対に、何か企んでるでしょ?

「……つ…ってる……将来……けっ……って」

「は?」

何一つ聞き取れない。

男なら、堂々と言いなさいよ!!