「なあ、美香」

「ん?なに?」

「もしさあ、2人一緒に合格できたら……」

「ん?」

珍しくもじもじしてる三上君の耳が朱色に染まって見えたのは、気のせいでも夕日のせいでもないとわかってる。

「その……一人暮らしの部屋は、近くにしね?」

なんだ。
図体ばかり大きくなった三上君だけど、案外寂しがりやなのね。

「ふふふ」

「なんだよ」

「寂しいんだ、一人暮らしは」

途端に慌てだす三上君。

「ち、ちげえよ。そんなわけないだろうが」

「ん?そうなの?」

「あ、あたりまえだ!!」

なんだ、違うのか。

つまんないの。せっかく弱みを握ったと思ったのに。


「そ、そうじゃなくて……」

頭をガシガシかく三上君。

イケメンは、そんな姿ですら様になるらしい。

「じゃあ、なに?」

「お、俺とお前は、生まれた時から一緒だった幼馴染だろ?」

「うん、そうだね」

「だから、その……これからも、近くにいてもいいんじゃねえ?」

なんだそれ。