「美香ちゃん、志望校決めた?」

3年生になっても、勉強会は継続中だ。

密かに、途中で脱落するだろうと踏んでいた三上君も、ちゃんと参加している。皆勤賞をとるぐらいの勢いで。

「うーんとね、F大学に絞りつつあるかな」

「本当か?じゃあさ、俺の行く所と案外近いじゃん!!」

確かにそうかも。

三上君は、大学進学後に警察学校に入る予定だと言っていた。

その志望する大学は、確かにF大学に近い。

「お互い合格して一人暮らしになったらさあ、遊べるな」

「そうだね」

全く知らない土地で、知り合いがいないのはかなり辛そう。

南君が近くにいるってわかっているだけで、随分気が楽になりそうだ。

「頑張ろうな」

「うん」

そのやりとりを、不機嫌そうに見てくる三上君。

舌打ちはやめようか。

そろっと視線を向けると、バチッと目があってしまった。

ヤバイ、殺される。

って思うぐらい、鋭いんですけど……