「ねえ、美香知ってる?」

「なにが?」

杏さんよ、確かにあなたと私はなんでも話してしまえるぐらいの間柄だ。

でも、さすがに〝知ってる?〟だけではなんのことかさっぱりだ。

「美香の幼馴染の三上君のこと!!」

そりゃ知ってるよ。

それなりに濃い付き合いだったから。

って、杏が言いたいのはそういうことじゃないのはわかってる。

天邪鬼でごめんなさい。

「三上君がどうかしたの?」

私の問い返しに、杏がふふんと得意げな顔をした。


「彼、仲良くしてた女の子達、みんな切ったらしいの」


「……は?」


確かに、最近は女の子といる姿を見かけなくなってきたけれど……

「なんかね、あれほど激しく遊んでたのに、最近はパッタリなんだって」

ぱったりかどうかは知らなかったけど、まあ、週3で図書館に来てるんだもの。少なくともそれだけは遊んでいない。

帰りは私と一緒に自宅まで帰ってるわけだし。


「三上君、週3日は放課後勉強してるよ」

「へ?」

おいおい、三上君。

あなたが週3日勉強していることは、さほど話したこともないだろう私の親友にまで驚かれるようなことらしいよ。