「美香はどの大学を考えてんの?」

無言からのその質問!?

私の中では、何にもつながらないんだけど。


「えっと……F大学か、K大学あたりかなあって」

ちょっと。その驚き顔はなんだ!?

私には無謀だと思ってない?

「結構レベルの高いとこばっかだな。美香、家出るのか?」

「合格できたらね。親も、一人暮らしをすることはOKしてくれたし」

「……そうか……」

だから、聞き逃げのように無言になるのはやめようか。


「三上君は、まだ絞れてない?」

「……あっ、ああ」

…………



昔は、無言なんて怖くなかったよなあ。

ていうか、仲良しだったから無言になることもなかったのかも。


大人に近付くってやだね。

〝無言〟なんてことを意識しちゃうんだもん。


ああ……違う。

この無言は、大人とかそうじゃないとか関係ない。

親友か、知り合いかの違いなのかも。

私にとって、今の三上君は知り合い程度な気がする。