翌日以降、テストの前日まで三上君は毎日やってきた。

南君と3人、いくらでも席は空いているというのに、同じ机にノートを広げた勉強会。

咲ちゃんがやってきて以来、三上君の元に女の子がやってくることはなかった。

そのせいで、毎日三上君と一緒に帰ることになっちゃうんだけど。

なんか、今更2人で何を話題にしたらいいのか困ってしまうのが正直なところ。




「なあ、美香」

「ん?」

最寄り駅から家まで歩いている途中のこと。

三上君は、何かに迷っているようなそぶりを見せながら、話しかけてきた。

「テスト期間が終わったらさあ、もうあそこで勉強しねぇの?」

「ん……これまでは、テスト前だけだったよ。でもなあ……前に南君も言ってたけど、受験に向けて週2、3日通うのもいいかなあって。どうせ帰宅部だし、図書館の方が集中できるから」

チッ

だから、舌打ちはやめて欲しい。

地味にイラっとするし、何かしでかしたのかと不安にもなる。

「それにね、塾へ行くか迷ってて。今のレベルをキープできれば、とりあえず必要ないと思ってるんだけどね。勉強の習慣づけに、図書館へ通うのもいいかなあって」

…………

聞いておいて無言になるのはやめて欲しい。

三上君の無言は、無駄に威圧感があるのよ。