「おい、美香」

ん?

突然上から降ってきた声に、パッと顔を上げる。

「三上君?なに、今日も来たんだ」

「今日も、とはなんだよ」

そう言って私を軽く睨みつつ、前に座る南君のことも、上から下まで舐め回すように睨みつけている。

「だって、三上君が図書館に来るなんて、レア中のレアなのに、それが2日連続とかもうありえないよね?」

「んだと」

いや、すごまれてもどう反応していいのやら。

「誰、コイツ」

そう言って、顎で南君を指しながら、私の横の椅子をひいた。

「南君だけど……ちょっと、三上君感じ悪いよ。図書館なんだから、静かにしてよ」

「お前達だって、さっき喋ってたじゃねぇか」

喋ってたには違いないけど、勉強を教えてたんだからね。

他に人もいないし、声も抑えてたし、許される範囲だと思うけど?

「何しに来たの?」

「用がないと来ちゃいけねぇのかよ」

だから、なんでそんなに不機嫌なのよ。

扱いに困るんだから、どっか行ってよ。

「そ、そういうわけじゃないけど……」

むしろ、用がなければ来ないところだよ、ここ。