無言のまま、片付けの続きをしていく。

三上君に絡みついた女の子は、はじめこそこちらをキツイ目で見てきたけれど、私が片付け始めるのを見て、得意げな顔で見てきた。

「美香、帰るのか?」

「どうしよっかなあ。集中途切れちゃったし」

「悪かったな。俺達行くから、ゆっくりしてけよ」

いやいや。

ここは公共の場でであって、三上君が〝ゆっくりしてけよ〟とかいう権利はないと思うけど……?


「じゃあな、美香」



なんだったんだ。

結局、三上君は何をしに来たんだ?


2人が去って、再び静寂が訪れた図書館。

「やっぱり、もう少しやってこ」

まだノートが開いたままの同じ席にもう一度座って、勉強を再開した。