「今日は?そうじゃない時もあるのか?」

「ここは誰でも来られるからね。知り合いが一緒になる時もある」

「ふうん」

話はそれだけ?

「こんなに空いてる席があるんだから、わざわざここに座らなくてもいいでしょうに」

違うとこに行ってよ。

せっかく集中して勉強したかったのに、絶対邪魔されそうじゃん。

「ここも空いてるから、ここにしたの」

「ふうん」

ジロっと三上君を見ながら、筆記具を片付けていく。

その様子を見て、三上君の方が少しだけ慌てた。

「おい、もう帰るんか?」

「ううん。これだけ空いてるから、日当たりの良い方に移動しようと思って」

ムッとした顔になった三上君。

いやいや、ムッとしてるのは私の方ですから。

邪魔しないでいただきたい。

「そんなに俺が嫌かよ」

「違うよ」

即座に返すと……

あらまあ。
せっかくのイケメンが間抜け面になってる。

「三上君が嫌なんじゃなくて、邪魔をされるのが嫌なの」

「……結局、俺が嫌なんじゃん」 

わかってないなあ。

「微妙にニュアンスが違うの」

「そうかよ」