「生まれ持った顔です。間抜け面で悪かったですね」

「美香のくせに生意気」

そういうと、向かいの席に座っていた三上君は、腕を伸ばしてデコピンをしてきた。

「いたっ」

額を抑えて睨む私を見て、くすくす笑う三上君。

むかつく……


「何しに来たのよ。三上君が図書館に来るなんて、珍しいじゃない」

そう言うと、一瞬眉間にシワを寄せて不機嫌そうな顔をした。

「なんだよ、俺が来たらいけないのか?」

「別にそんなわけないけど……」

本当にもう、何しに来たのよ。

「じゃあ、いいじゃねえか。お前、1人なの?」

いいけどさ。

「うん。今日はね」

ここへ来たのなら、本を読むとか勉強をするとかすればいいのに、そんな気配は全くない。