「よお、美香。今日はよく会うな」

なんでだ……

三上君が図書館に来ることなんて、これまであったか……?


テスト2週間前になると、放課後を図書館で勉強して過ごすのはいつものこと。

家だと、何かと誘惑も多くて気が散っちゃうから。

バリバリの進学校でもないから、図書館を勉強で利用してる人はあまりいなくて、すごく快適なんだよね。 



今日も、いつもの6人がけの机の一角を占拠して、いそいそと勉強してたんだけど……


「なんだよ、その間抜け面は」

顔を上げた先には、小馬鹿にしたように笑う三上君。

憎たらしい。

昔は優しかったのになあ……





「ねえ、見て見て。冠作ったの!!」

シロツメグサで作った冠を頭に乗せて見せれば、彼は虫捕まえに夢中になっていた手を止めて、

「わぁ、美香ちゃん可愛い」

なんて褒めてくれたのにさあ。


別に可愛いって言って欲しいわけじゃないけれど、私の扱いが雑じゃない?