「お勤めご苦労様です。姐御!!」
私の活躍を聞き付けたのか、何故か私を姐御と慕うようになっていた。
いや、むしろ尊敬の眼差しで向けられるようになってしまった。これだと私は、極道の嫁みたいだわ。
いや。結婚したらそうなるのだけど……。
私は、苦笑いするしかなかった。
いいのだろうか……それで?
その後。重勝さんに自宅まで送ってもらうが、疲れてしまい帰るなりそのままベッドにダイブした。
ハァッ……しかし凄い1日だったわ。
人質にされるし、鬼龍院さんが大河内組の手に渡りそうになるし。
それを私が殴り込みに行ったり……。
あのまま大河内幸也の手に渡ったままだったらと思うとゾッと寒気がした。
やめてよ……私は、そんな趣味はないわよ!!
ジタバタしながら考えては、ベッドで暴れていた。
その夜は、そのまま力尽きて寝てしまったが、そのせいか夢で、そんなシーンを見てしまった。最悪だわ……。
いや。確かに素の鬼龍院さんは、男でも惚れるぐらいの天使だけど……いやいや。それでもダメよ!
鬼龍院さんは、私のなんだから……。
うん?この台詞何処かで言ったような?
私は、首を傾げながら考え込んだ。気のせいかしら?
そして、昨日の出来事は、いつもながら次の日に学校に行くと保健室で奈緒に話した。
「あんた……日に日に極道の嫁らしくなってない?
しかもヤクザ相手に殴り込みって……。
どれだけあんたは、気が強いのよ?普通やらないわよ?」
ですよねぇ……自分でも行動力に驚きです。
呆れて言う奈緒に私は、恥ずかしくなってきた。
「でも上紗らしいと言えば上紗らしいけどね。
そのあまり余る正義感に度胸。
確かにヤクザの嫁には、あんたみたいなのが必要かもね。
ドン引きするから真似したいとは思わないけど……」
奈緒……褒めてるようで褒めてないわよ?それは……。
「いや。どう考えてもおかしいだろ!?
それ……ただの無鉄砲の馬鹿じゃん」
はぁっ?何ですって!?って……何で今日は、坂下君。
普通の顔して保健室の中に居るのよ?
いつもは、窓のところから現れるのに……。