弁解したいが、言い返しても余計に怒られるので黙っていた。
うぅっ……私だって怒りたくないわよ!
優秀で優しい教師とか言われて、優雅に立ち振舞いしたかったわよ!!……なのに坂下君が逆らうんだもん。
結局散々叱られた。その後
このストレスを聞いてもらうべく養護教諭で友人の入谷奈緒が居る保健室に向かった。
彼女とは、何でも話せる間柄だ。
「あんたも……よくやるわね?
不良生徒と真っ向から口喧嘩して授業を潰すとか」
「だって、だって。ババアとか言うからついカッとして」
「まったく……それぐらい聞き流しなさいよ?
すぐにカッとなる癖を直さないから彼氏が出来ても続かないのでしょーが」
さらに呆れたようにため息を吐かれた。
うっ……ハッキリと言うなぁ~奈緒は。
でも確かにそうなのよね。
思ったことをつい口に出してしまうから、彼氏との喧嘩が耐えなかった。
直したいとは思うのだけど……なかなか。
一度ついた癖は、すぐには直せないものだ。
ハァッ……とため息を吐いていると奈緒が私に近づいてきた。
「それよりもお見合いどうなったの?
タイプだと言っていたじゃない。
上手く行きそうなの?お見合い相手とは……」
思わないところでツッコんでくる奈緒だった。
うっ……それは……。
あまり聞かれたくない内容なのに。
「……それは……」
「で、どうだったのよ!?
上手く行ったら私にもその未来の旦那様を通じて友人を紹介してもらうつもりなんだから教えなさいよ」
さらに言い寄ってくる奈緒。
奈緒……あんたの目的はそっちか!!
心の中で思い切りそうツッコんだ。
しかし、あまりにもしつこいので仕方がなく鬼龍院さんのことを話した。
ヤクザの若頭だったことも含めて……。
すると……やっぱり驚かれた。
「えっ?ちょっと……マジなの!?
お見合い相手が極道の若頭だなんて!!」