奈緒……言い方。何で下ネタ風に言うのよ……。
それに実際にそうなるのか分からなかったし。
ハァッ……と私は、ため息を吐いた。
奈緒も呆れたようにため息を吐いていた。
すると窓からガタガタと音がした。
見てみると坂下君が必死に窓を開けようとしたらしいが、開かなかったらしい。って……またそこから!?
「あ、ごめんなさい。
うっかり窓を開けておくの忘れていたわ」
奈緒は、慌てて窓の施錠を外した。
ガラッと窓が開くと坂下君は、こちらを見る。
「おい、椎名先生。どうなったんだよ!?デート。
まさかあの胡散臭いヤクザに襲われてねぇーよな?」
胡散臭いヤクザに襲われるって……。
どうして坂下君までそっち系になるのよ?
襲われるって……。
「あら。聞いてなかったの?」
「さっき来たばかりだし」
「そうなの。それがね……」
ちょっと奈緒。あんた勝手に坂下君に喋らないでよ!?
私は、慌てて止めようとするが構わずに坂下君に話してしまう。
あんた……人の情報をベラベラと喋りすぎ!!
「はぁっ!?マジかよ……それ?だから言ったじゃん。
あんな胡散臭いヤクザなんて信用するなって。馬鹿じゃねぇーの!!」
はぁっ?何ですって……。
「大体レストランに乗り込む犯人とか、それだけ危ないことをやっているってことだろ?
アイツは、ヤクザなんだぜ?
それぐらいやってもおかしくないって……」
「そ、そんなことない!!」
思わずそう口に出したが、普通に考えたらそう思われても仕方がないことだ。
現に薬がどうとか言っていた……。
鬼龍院さんは、否定もしなかったが、どうにかして公言した仲間の情報を聞き出そうとしていた。
それって知られたらマズいから?
本当に薬とか手を出していないなんて私には言えない。