翌日。私は、学校でそのデートのことを奈緒に話した。
自分だけだと答えが出ないからだ……。
しかし奈緒は、それを聞くなり驚くどころか、目をキラキラさせていた。
「えー何よそれ!?二重人格?いや……これだとアレよ!
ギャップ萌えってやつね!!」
ギャップ萌えって……。
「何よ……それ?違うわよ。
ちょっとスイッチが入ちゃうみたいで……」
「同じじゃない。普段は、シャイな天使様。
だが怒らすとヤクザの親分に変身……やだ。
ちょー面白いじゃない、それ」
「面白がらないでよ……」
悩む私と違いウキウキの奈緒だった。
どう見ても面白がっているし……。
そもそも……それってどうなのよ?
二面性があるってことだし……。
呆れている私に奈緒は、楽しそうにコーヒーのおかわりを淹れる。
「しかし……あれよね。
坂下君もわざわざ上紗を心配して追いかけてきて鬼龍院さんと張り合うなんて可愛いじゃない。
まるで可愛いワンコみたい」
「誰がワンコだ!!」
するとガラッと窓が開き坂下君が顔を出してきた。
勢いよく開けられた窓に私は、驚いてしまう。
びっくりした……というか、また何処から現れるのよ!?
毎回あんたは……。
「あら、ごめんなさい。
だって上……椎名先生のことを心配して跡をつけたなんて可愛かったから……つい」
「だから違うって!!
あれは、たまたまで遊びに来ていて……」
「たまたまねぇ……」
フフッと笑う奈緒に坂下君は、頬を赤くして怒っていた。
えっ……どういうこと?