「おい。気安く触ってんじゃねぇーよ!」
声をかけて止めてくれた人物が居た。
だが、その人物に驚かされた。坂下君だったからだ!
えっ?坂下君!?
何故かそこに坂下君が居た。
何でこんなところに居るのだろうか?
いや。ショッピングモールだし遊びに来ていてもおかしくはないけど……。
しかしも、いいタイミングで現れるからびっくりだわ!?
偶然にしては凄い……。
「あっ?何だ……お前?」
ナンパ男の中でも特にガラの悪そうな男の子が坂下君に絡んできた。
坂下君は、ギロッとさらに睨み付けた。
それは、もう喧嘩腰の態度で……。
「俺が何だろうがお前らには関係ねぇーよ。
それより俺のツレにちょっかいをかけるな!」
……はい?えっ?誰が誰のツレだって?
ちょっと坂下君!?
私は、彼の発言に驚かされた。
しかしナンパ男達は、それが気に入らなかったのか、ギロッと睨み付けていた。
「ハァッ?ツレ……?そんなの知らねぇーよ。
俺らは、彼女に用があるんだから引っ込んでろ!!」
「はぁっ?誰が引っ込むって?」
短気でキレやすい坂下君は、そのナンパ男の1人の襟を掴みかかった。えっ?ちょっと……。
こんなところで喧嘩を始める気!?
人が多いショッピングモールで喧嘩なんかしたら、見物客どころか人に当たったりして危ない。
それに騒ぎになって警備員が来たら学校に通報されてしまう。
そうなれば、ただでさえ不良の坂下君だ。
停学か、酷いようなら退学にされてしまうわ。
「ちょっとあなた達、やめなさい。
こんなところで喧嘩なんて」
「はぁっ?うるせーその手を離しやがれ」
まったく私の話を聞こうとしない。
むしろ本気で喧嘩をする気だ。
あぁ、これだと本当に退学になってしまうわ!!