あぁ、こっちにも中高生みたいな反応が……。
私は、とにかく慌てて鬼龍院さんにティッシュ箱を探して渡した。
鬼龍院さんは、ティッシュで鼻を押さえながら、しゅんと落ち込んでいた。情けないのだろう。
「すみません……どうもこういうのに免疫がなくて。
部下にも学んだ方がいいとそれ系のDVDを観せられた時もこんな風に鼻血を出しちゃって……情けないです」
うん?ちょっと待て。
あの連中は、何を鬼龍院さんに観せてるのよ!?
鬼龍院さんが免疫ないのは、あの時に判断した。
しかし、それを克服させるためにいかがわしいのを観せるとか信じられない。
次やったら叱らなくちゃあ……!!
ブツブツと文句を言っていると鬼龍院さんは、不安そうに私を見てきた。
「やっぱり……男として情けないですよね?
これぐらいのことで鼻血を出すなんて……」
「いえ。全然問題ないです!!」
思わずドキッパリと言い返してしまった。
我に返ると恥ずかしくなってきたが……。
だって……それぐらい純粋ってことじゃない。
私だって初めてだし同じような気持ちで居てくれるなら嬉しいことだ。
何より鬼龍院さんは、他の誰のものでもないと分かっているし。
「今日は、無理でも……またチャンスがありますし
それに……こういうのは、お互いの気持ちが大事ですし、だから待ってます。ねぇ?」
私は、ニコッと笑ってみせた。
若干恥ずかしげな台詞を言っているが……。
鬼龍院さんは、頬を染めながら天使のように微笑みながら頷いてきた。
やっぱり鬼龍院さんを見ていると守りたくなる。
この人のそばに居たいと思ってしまう。
例え極道の若頭だとしても……。
そしてお互いに納得すると食事にする。
食事を終わらすと私達は、寝ることにした。
隣同士に敷いてある布団。何だが照れくさい……。
「ねぇ……上紗さん」
「何ですか?」
「手……繋いでもいいですか?」