それを聞いた鬼龍院さんは、嬉しそうにニコッと天使の笑顔を見せてくれた。その笑顔に心臓が高鳴った。
 あぁ……なんて愛おしいのだろうか。

 自然と見つめているとお互いの心臓の高鳴りが聞こえてきそうだ。
 見つめていると自然と顔が近づきキスをした。
最初は、優しいキス。
 だが途中でお互いに夢中になっていたら変な物音が聞こえてきた。

「ちょっ……物音を立てるな!?バカ」

「す、すいません」

 話し声か聞こえてくる。
えっ……?私は、音の方が気になり障子の戸の方を見た。
 すると障子の戸からいくつもの人影が……。

 どう考えても部下達が気になって私達の光景を張り付いて見ていたようだった。
 その恥ずかしさと不気味さに唖然としてしまった。

「ちょっと……何をやっているんですか!?」

「す、すみません。姐御!!」

 私は、そう叫ぶと大慌てだす部下達。
謝りながらもバタバタと走るように逃げ出してしまった。
 まるで人の恋に興味津々の中高生男子みたいな光景だ。
 廊下に出るがあっという間に逃げ出してしまった。
まったく。私は、ハァッ……とため息を吐いた。

 部屋に戻ると鬼龍院さんを見てみると耳まで真っ赤にしながら俯いていた。えっ?鬼龍院さん?
 何だが様子がおかしかった。

「鬼龍院さん?どうかなさいましたか?」

 するとポタッと血が床についた。えっ……血?
見ると鬼龍院さんは、鼻を手で押さながら
 「すみません……興奮し過ぎて鼻血が出ました」と訴えてきた。 えぇっ!?鼻血!!
 どうやらさっきのキスや興奮で鼻血を出してしまったらしい。

「ちょっ……大変。とにかく横になりましょう。
あぁ、ティッシュ。ティッシュは、どこ!?」