「……俺のこと……?」


 え……。


「彩音が元気ない理由って、
 俺が女の子に告白されたから?」


「……っ‼」


 南風の言葉に驚き過ぎて。
 すぐに言葉が出てこなかった。


「……当たり?」


「そっ……そんなこと一言も言ってないでしょっ‼」


 勝手に決めつけないでっ‼


「あ、そう」


 頭の中がパニックになっている私とは正反対に。
 南風は冷静な様子。


「それなら……」


 表情を変えず冷静に何かを言おうとしている南風。


 それなら……?


「俺の目を見て言って」


 え……。


「彩音が元気ない理由が本当に俺じゃなければ、
 真っ直ぐ俺の目を見て言って」


 ……‼


 なっ……南風っ。

 なんでそんなこと……っ。


「めっ……目を見なかったのは、たまたまだよっ。
 だから同じことをいう必要なんて……」


 ……⁉


 言い終わる。
 その前に。

 南風の手が。
 私の頬に触れて……。


 絡み合う私の瞳と南風の瞳。


「彩音……」


 不思議。

 名前を呼ばれることは。
 特別なことではないのに……。


 今は……。
 ドキドキ……してしまう。



 熱を含んだ瞳で見つめる南風。

 そんな瞳で見つめられると。
 よりドキドキが加速する。


 そのためか。
 身体中に熱が集まって。
 だんだんと熱くなる。



 そんなときに。
 南風の顔が……唇が……。